3年ゴム消し
 
 

しかしあの頃はほんとに、ヒマだったんだな。 こんなにたくさん字を書くなんて、ほんとにやる事が無かったんだと思うよ。

でも、それも今じゃみんなチョー消しさ。 十年や二十年なんて、ゴム消しさ。  

1987年 六興出版 「十年ゴム消し」より

これは忌野清志朗の「十年ゴム消し」という日記風詩集(または詩集風日記)のあとがきに収められている一文だ。ワタシはこの本をまだ読んでないのだが、その題名に惹かれた。忌野清志朗は昔ちょっとだけ好きだったし。
この文は、彼がまだちっとも売れなかった時代に書かれたモノがブレイク後に出版され、その当時を振り返っている文だ。昔の自分をチョー消しにできるぐらい今の自分は自信がある・・・。そういう意味合いが含まれている・・・らしい。

2,3年前の友達から久しぶりに電話がかかってきた。ワタシは人と会ってどんな話題でも熱く語るのが実は好きだ。延々何時間でもしゃべってられる。まあその友達とも昔は夜を徹して、愚にもつかない恋とか友情の理想論をグダグダと語り合っていた。で、その電話で昔はこーだったねあーだったねと昔話に花が咲いた。
しかし赤面モンである。どの口がそんな熱くまっとうなことを言ってのかと思うほどだ。
その頃それなりに拗ねたカンジで世の中を斜め読みしてたのだけど、暑い熱い。
若いってのは怖いです。 なんか若い頃って自分が世の全てを知ってるかのごとく傲慢なんだよねえ。
人ってのは時に応じて考え、コトバを選び行動している。たぶんその時は最もいいと思う行動をしてるハズで、すごく真剣に考えているハズである。しかし数年経ってその時々を思い返してみると、こっぱずかしい事が多いこと多いこと。「なんでそうなるんや!ワタシ!」ってことの連続。で、最近わかったのだがワタシはどうも3年周期で見つめなおせるっぽい。 てか言いなおしたら「三年経たなきゃ自分がわからねーヒト」ってコトですね。だからもう3年おきに消しゴムで消したいほどこっぱずかしい自分に向きあうのだ。
今ワタシはUOにはまり込んでこんなHPまで作っている。最初の1年なんてリアルほったらかしで入れ込んでしまった。今までこれほどはまり込んだものはハッキリいって皆無に等しい。3年後UOやってるかどうかわからないが、もしこのHPが残っていたなら「なんでワタシこんなにアツイんや・・・」と思うこと間違いなしである。ゲームの方針でもめたり、シギルを追いかけて熱い日記を書いたり、対人のウデの無さに涙したり。
その上こんな自分の気持ちをダラダラと書くようなコォナァまで設置してしまった。UOの中でのことはまだいい。こうやってリアルも絡めていろんなことを考えてるところほど内容は濃い、いや濃すぎる。このエッセイでやっと10作目になる。もしかしたら将来の恥を10個もたれ流してるんではないかと内心ビクビクもんである。 まあでも3年後に「こっぱづかしー」と思うか「こんな時代もあったなぁ」と微笑ましく思うかはその時点の自分の状態にもよるだろう。その時に「ああ、あの時あんな事さえしていなければ・・・」と思ったら負けである。昔を懐かしむ余裕があってほしい。いやホントに。

キヨシローのように笑って振り返られるようになりたいモノだ・・・

 
 
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